2012年9月16日日曜日

選択の基準

以前クラスを持っていたある俳優養成所でのレッスンの中で、
恥ずかしがってなかなかやろうとしない子たちに向かって、

「あなた達にとっての二択は、できるかできないかじゃない。
 やるかやらないかなんだよ。」

と毎回毎回言っていました。

俳優という仕事についてはよく知りませんが、例えば
「サーフィンできる?」
「麻雀できる?」
「馬乗れる?」
「オーボエ吹ける?」
「スワヒリ語喋れる?」
「ばーっと走ってってそのままの勢いで前のめりに倒れられる?」
「脱げる?」
などと聞かれた場合、できるかできないかで言ったら
たいていの事は「できない」に属するんじゃないかと思います。


2012年9月15日土曜日

「蜜 室」閉幕。

オリンピックがいつの間にか始まって、いつの間にか終わっていました。
気がついたら蝉が鳴いていました。
さらに、鈴虫が鳴き始めています。

そして、この数ヶ月、全てをつぎ込んできた「蜜 室」が終わりました。


稽古の始まりはフェードインで、そして終わりはカットアウトです。

いつの間にか作品の稽古が始まり、気がついたら他に何も見えないほど
作品にどっぷり浸かり、心も体も時間も全て捧げた状態で舞台に向かい、
そして公演が終わった次の日、いきなり何もなくなりました。

それまでうんざりするほど毎日毎日顔を合わせていたメンバーと
突然会わなくなり、毎日何度も聞いていた音楽を耳にしなくなり、
毎日稽古していた動きをやる必要がなくなります。

この体に染み付いたあの動きは、やがて薄れていく。

今なら、まだ踊れる。全部踊れる。
なのに、踊る場がない。

あまりに唐突に終わるので、止まれない心と体が戸惑っています。

この慣性の法則とでもいうべき戸惑いがあるからこそ、
次を求めていけるのかな、と思う今日。

すでに次の機会を求めてやまない自分がおります。